小林真梨子

2010年度卒業

小林真梨子Mariko Kobayashi

写真家

Profile

2005年、立教女学院中学校入学。高2で美術部部長、写真部創部に携わる。2011年、同高等学校卒業後、日本大学芸術学部写真学科に入学。卒業後は写真家として活動。2015年に写真展『東京女子展』を企画。2017年、初の写真集『ゆれる、ふれる』を出版。2018年には1993年生まれのクリエーターがつくる『1993』展でキュレーターを務めた。

思い出をカタチとして残す

小さい頃から、絵を描いたり、物をつくるのが好きで、中1から美術部に入りました。高校では、友達に勧められたこともあり、文化祭や修学旅行のパンフレットの絵を描いたり、クラスTシャツのデザインをしたり。私は、映画や美術展のチラシ等を取っておいて「その時の思い出」を振り返るのが好きなので、自分でも思い出をカタチとして残したいと思いました。物として残すことで、あたたかみが出たり、伝わるような気がして。だから、留学に行く子にクラスメートのメッセージブックをつくって渡したり、友達の誕生日に手作りカードを贈ったりもしました。私のつくったもので、こんなに喜んでもらえるんだ、とうれしく思いました。

自分の幸せ

文化祭も力が入りましたね。みんなで一緒にいい文化祭にしたかった。部活でもクラスでも。特に高2、高3では、作品づくりだけでなく展示方法も考えて、率先して、みんなに協力を呼びかけながら進めていきました。終わった瞬間、大きな達成感も得ましたし、自分が幸せに感じるときって、自分ひとりで完結するときではなく、誰かと喜びを共有し合うときなんだと気づきました。誰かと一緒に笑っていたいんだなと。また、人をまとめる役割を経験し、自分はわりと仕切るのが好きなんだとも気づきました。自分が“長”の役目を果たすなんて、中学の頃からは考えられないことです。高2では、写真部の立ち上げにも携わりました。「なんで写真部ないんだろうね?」という何気ない一言から、友人である生徒会長たちと一緒に動いて、高3のときに創部を果たしました。入部してくれる人も多くて、うれしかったですね。私自身は、1年間しか活動できなかったんですけど、校内の風景を撮ったり、友達を撮影したり。今日(取材日)は9年ぶりに校内の撮影をしました。ファインダー越しに見た景色は、懐かしさを感じつつも、在校時とはまた違った印象を受けました。歴史があり厳かな雰囲気をまとった校舎の美しさに感動すら覚えました。

この学科に行きたい!

高校生になると、ものづくりをしている人がとてもカッコよく見えました。そこで、進路を考える際には、立教大学だけでなく、他の大学もみてみようと思ったんです。いろいろ調べていくなかで、「ここに行ってみたい」と心の底から思える学科に出会いました。周りの友だちが「この大学のこの学科に絶対に入りたい」と言っていたのは、こういう気持ちなんだとようやく理解しました。ですが、両親は立教大学に進むものと思っていたようで、猛反対。相談することもできずにつらい日々が続きましたが、担任の先生から「自分の進路なんだから、自分の意志を貫きなさい」と励まされたことが支えとなりました。先生方には、いろいろと相談に乗ってもらいましたし、私のために積極的に動いてくださっていたので、報いるためにも絶対に結果を出さなければと思いましたね。合格を伝えると、先生方も喜んでくださいましたし、両親も喜んでくれました。両親は絶対に落ちるだろうと心配だったようで、それからは応援してくれています。

立教女学院の先生

先生方には、受験だけでなく、いろいろな面で支えていただきました。中学のときの担任の先生方はおだやかな感じで、のびのびと過ごすことができましたし、美術部の顧問の先生は同学年に部員がいない私の話し相手になってくれました。音楽の先生もすごくやさしくて、いろいろと相談に乗ってもらいました。音楽、苦手だったんですけどね(笑)。みんなに対して、体調や雰囲気の変化に気付いて「何かあった?」と声をかけてくれたので、話しやすかったんです。私は自分から言えるタイプではなかったので、とてもうれしかったですね。先生方からいただいた一言一言が、今も自分の中に残っています。特にふと思い出すのが、聖書の授業で習った『隣人を愛しなさい』という句。写真のなかにも活かされている気がします。人を撮るときに、相手としっかりと向き合い、好きになること、その人の内面を理解することで、一瞬の表情であったり、魅力を映し出せるのではないかと思っています。それが表現できたときは快感ですし、その人と通じ合えた気持ちになります。

ゴールを決めてしまうのはつまらない

大学では本格的に写真を始めるとともに、学内外の活動で人とのつながりを広げていきました。いろんな人と知り合って、いろんなことを教えてもらう。人とつながることは経験や仕事を生み、自分をつくり出すことなんだなと実感しました。こうして、写真家として活動するなかで、私の写真を見て「大切な一枚になりました」といった声をいただくこともあり、誰かの中に残るのはすごくうれしいですし、やりがいを感じています。今後は、いろんな場所に行って、いろんなことを見ていきたい。もっと経験値を増やしたいですね。時間が足りないなぁと思いながら毎日を過ごしています。その過程で、途中で何か興味があることに出くわしたら、写真にこだわらずに挑戦していきたいとも思っています。ゴールを決めてしまうのは、つまらないですから。人を喜ばせるのが好きなので、誰かのためになるような仕事を続けていけたらいいなと思っています。