高校ISGで、「共創デザイン×テクノロジーによる、DE&I社会の実現に向けて」というテーマでプログラムを実施しました。

部活動だより

富士通(株)の今村亮太氏をお招きし「共創デザイン×テクノロジーによる、DE&I社会の実現に向けて」というテーマでワークショップを含むプログラムを行いました。

初めに、聞こえない・聞こえにくい人のために、情報提供の方法の一つとして開発された「エキマトペ」という装置の、開発から実証実験に至るまでのお話をしていただきました。
開発の目的は、「ろう・難聴者をはじめとする駅をご利用のお客様へ快適な体験を提供することで、より安全安心な鉄道利用を実現するとともに、DE&Iへの相互理解の促進を目指す取り組み」ということです。開発には、聾学校に通う生徒さんたちも加わり、生徒さんたちのアイデアや意見も反映されたそうです。

次に、富士通から出ているOntenna(オンテナ)という、音を振動に変換し、音が鳴っていることを聞こえない、聞こえにくい人に知らせる、音を楽しむ装置について、ワークショップを行っていただきました。ISGメンバー一人一人にOntennaが手渡され、体験とOntennaの利用の可能性についていくつかのグループに分かれて議論しました。そして、最後に各グループの提案をみんなで共有しました。

今回のプログラムは、ISGメンバーにとって新鮮で、とても有意義なものであったようです。Ontennaを初めて手にして、振動が伝わった瞬間、メンバーから歓喜の声が上がったことが印象に残っています。

今回のプログラムとは別に、ISG顧問が、実証実験のために設置された「エキマトペ」を上野駅に見に行ったときの感想ですが、この装置は聞こえない・聞こえにくい人にとっても有効であるだけでなく、聞こえる人にとっても視覚的に情報が得られることは有効であると感じました。つまり誰にとっても有益である装置ではないかと感じました。

11月に開催されるデフリンピックの時期に、多くの駅に設置されるのだろうと想像していましたが、残念ながら、費用の面から難しいということです。この「エキマトペ」に限らず、障害と感じることが少しでも少ない社会がいいねという意識が広がり、より多くの人の豊かさに繋がる取り組みが、国や地方によって行われることが望まれます。

※DE&Iは「多様性(Diversity)」「公平性(Equity)」「包摂性(Inclusion)」の頭文字をとったもの