高校3年生を対象とした特別講座「模擬裁判」を行いました。

高大連携・産学連携プログラム

高校3年生を対象とした特別講座の一つに刑事裁判の「模擬裁判」があります。東京弁護士会の法教育委員会所属の弁護士の先生方(今年は計6名)のご協力を戴き、毎年2月に開催され、すっかり本校の恒例行事の一つとなりました。

新型コロナウイルスの影響により、残念ながら2021年度・2022年度の2回は中止を余儀なくされ、今年度は実に3年ぶりの開催となりました。18回目を迎える今年は、事前指導が2月10日、本番が同17日に実施されました。意欲に満ちた参加者27名が裁判官役(7名)・弁護人役(10名)・検察官役(10名)に分かれ、10日は各役ごとに担当の弁護士の方々による詳細な事前指導を受けた後、全員で本番に向けたリハーサルをして終了しました。今年の事件は、夜中に電気屋の倉庫に侵入して警備員=検察側証人(古良見田蔵:こらみたぞう)に発見され、逮捕・起訴された被告人(知角地味夫:ともかくじみお)の窃盗未遂容疑が成立するか否かが、争点となりました。(被告人役は今年も私が、対する証人役は高3担当教員が務めました。)生徒達は、各々の役ごとに割り振られたシナリオや諸文書を基本としながらも、 担当の弁護士の先生に相談したり仲間と知恵を出し合ったりしながら、懸命に準備を進めました。弁護人役は無罪判決を、検察官役は有罪判決を得るために、シナリオにはない独自の質問を考えたり弁論・論告を綿密に練ったりしたうえで、本番に備えるのです。

裁判当日は大教室を実際の法廷の形に設営し、そこを舞台にして被告人の有罪・無罪をめぐって文字通りの真剣勝負が繰り広げられます。今年も実に3時間半を超す長時間の弁護人側と検察官側の激しい応酬の後、最終的には裁判官役(多数決制を採るため、奇数名なのです)の7人が十分な合議の上で有罪か無罪かを決定し、約30名の傍聴人を含めた全員の前で厳粛に無罪判決を言い渡して模擬裁判は終了となりました。因みに、有罪か無罪かの評議では、6対1で無罪となったことが後に報告されました。

裁判終了後は、各役ごとに弁護士の先生方からフィードバックをして戴き、終了となりました。、日常では決して経験することができない貴重な、そして何とも贅沢な時間を過ごすことができました。

なお、本校の模擬裁判の様子が、「東京弁護士会」のHP(「法・司法制度を学ぶ」>「有罪?無罪?-刑事模擬裁判」外部リンク)に紹介されています。どうぞご覧ください。        <社会科教諭:岸田宏史>